Presenca: The Best Of Shigekosuzuki
1995年のデビュー作『プルミエール』から2001年の『マイ・ベスト・フレンズ』に至る諸作から編集された初のベスト盤。 この人の場合、どうしても“東大出身のジャズ歌手”というフレーズがつきまとうが、歌うことに関して東大は関係ないし、ジャズ歌手というのもその後の活動を見ていると、ちょっと違うなという気がする。じゃあ、なんと形容すればいいのだろう。自然派のヴォーカリスト、とでもいえばいいのかな。ここに集められた曲を見ても、いわゆるスタンダードは1曲だけで、ボサノヴァ、そしてビートルズやスティングなどのポップ曲が大半を占めている。一貫しているのは優しい感触のマイルド&ナチュラルな歌声。これ見よがしのところは微塵もなく、実に淡々と自然に歌っている。これこそ彼女の個性なのだろう。 ハリー・アレン参加の、ドリ・カイミとの共演が印象的な、日本語で歌うオリジナル曲、筆者一押しのスティング・ナンバーなど、どの曲も聴く者の心の中に自然に入ってくる。さすが精選されたトラックばかりだ。(市川正二) 内容(「CDジャーナル」データベースより) 不思議なキャラクターで人気を爆発させた鈴木のベスト・アルバム。その歌もキャラクター通りのほのぼのとしたもので、聴いているうちに心が安らいでくる。しかし、聴き易い歌を通してジャズ・ヴォーカルの魅力も伝えているのが彼女だ。そこが素晴らしい。