I (2022 Remastered)
前作『ニュー・ロック』から約3年半ぶりに届けられた本作は、以前に比べずっと肩の力が抜けた、リラックスして聴ける作品に仕上がった。これ見よがしなところ、押し付けがましいところがなく、それでいて確実に新しい。実にすばらしいロックアルバムだ。 テクノロジーの使い方は非常にこなれて、スマートで自然。また特筆すべきはヴォーカルの比重が大きくなった点。たとえば<12>や<13>などはシングルになってもおかしくない程ポップスとしての完成度も高い。 ほぼ同時期にリリースされたコーネリアスの『point』と同様に、ポストロックやエレクトロニカ以後のポップミュージックのあり方の1つの方向性を指し示す傑作だ。(