BalladeII
布施明のバラード?カヴァー?アルバムの第2弾。今作では、誰もが知っている女性シンガー達の名曲の数々を布施明が抜群の歌唱で語りかける。 先のBallade ではファルセットばかりで「らしさが無い」と酷評したが、今回のJupiterにこそ七つの声を持つ布施明あり。 前作同様ファルセット多様だが、前作とは違い、ff(フォルテシモ)の部分は従来の良く響くのびやかな地声がきける。 ご本人が前回同様、全てファルセットでの「語るような曲調」のBallade を目指したのだとしたら、地声が垣間見える部分は逆に「不完全」を意味することになるのだが…。あの地声のファンとしては、ファルセットでも地声でも歌える布施明が感じられ、一粒で二度おいしい。 ただし、くずしまくって歌っているので、オリジナルどおりの歌い方、オリジナル歌手の歌い方でなければ歌にあらず!という考えの人には不愉快かもしれない。ここにも「くずしの布施明」健在。 個人的には女歌を感情豊かに謳いあげる歌手だと思っていたので、このアルバムのコンセプトはうれしかったのだが、「夢の途中」は来生たかおさんのものだし、歌詞も男歌なのでは?統一感に疑問あり。 さらに言えば、誰かの当り企画の二番煎じではなく、できれば先陣をきって当るアルバムをつくって欲しい。(これが難しく、歌手本人のやりたいことと、売れることが必ずしも一致しないようだ。) (By takeko-san )